運・根・鈍


内藤英治
 京都市立美術大学(現 京都市立芸術大学)に入学して以来、多くの素晴らしい先生、先輩、友人に恵まれ、数百点もの作品を作り続けてこれました。以前、ある高名な先生が、「今の自分があるのは、運、根、鈍のお陰であり、続けていく事の大切さ」を話されていたのが印象深く耳に残っています。真に鈍であっても、根気強く続けていけば、いつかは運が開けていくであろうと自分に当てはめて、心している言葉です。
 
主に型染を中心に製作を続け、その制約された技法の中にも限られた色彩の中にも、美しさが存在し、それを掘り出していく面白さと同時に、逆にその事が奥深い未知の世界の発掘に繋がる確かな道のりであるとの思いを強く感じて、今日に至っています。そして、これからも道は続きます。

 

    2012年1月